JavaScriptの進化の歴史| 創生から現在までとWeb制作への影響

javascriptの歴史とnetscape社について
javascriptの創生に遡るには、Netscape社について話す必要があります。
Netscape Communications Corporationは、1990年代にWebブラウザの開発・販売を行ったアメリカのソフトウェア企業です。当時のWebブラウザ市場はNetscape Navigatorが有力な存在であり、Web開発者にとって重要な存在となっていました。
Netscape Navigatorを開発する上で、Webページのインタラクティブな機能を追加することが求められました。そこで、Brendan Eichが開発したLiveScriptを採用し、Webページに動的な要素を加えることができるようになりました。後にJavaScriptに名前を変更することで、より多くのWeb開発者が利用するようになりました。
Netscape Communications Corporationは後にAOLに買収されましが、JavaScriptが今日でも重要な役割を果たしていることから、Netscape Navigatorの開発に寄与したことは重要な歴史的な瞬間となっています。
javascriptが初期には採用率が低かった
JavaScriptは登場当初、Web開発者にとってはまだ成熟していない言語として扱われました。当時のWeb開発は、静的なHTMLドキュメントを作成することが主だったため、JavaScriptを利用する必要がないと考えられていました。
また、JavaScriptは動的なWebページを作成することができるものの、制御が困難であり、デバグが容易でないという問題がありました。これらの問題は、JavaScriptが採用率が高くなかった主な理由となりました。
Google Mapのリリースで明確に変わったjavascriptの可能性
しかし、2004年にGoogleが「Google Maps」をリリースすることで、JavaScriptの利用率が一気に高まることとなりました。「Google Maps」は、Webブラウザ上で動的な地図を提供するWebサービスで、JavaScriptを活用して動的なページを作成することができました。この「Google Maps」の登場により、JavaScriptの使い方が大きく変わり、Web開発者がJavaScriptをより積極的に利用するようになりました。
「Google Maps」の衝撃は、JavaScriptに対する認識を変えることだけでなく、Web開発全体にも影響を与えました。「Google Maps」は、Web開発者に動的なWebページを作成するための新しいアプローチを示し、Web開発においてJavaScriptが持つ可能性を明確に示しました。
このようなJavaScriptの変化は、Web2.0の時代に合わせて起こりました。Web2.0は、Web開発技術の進化により、より多くのユーザーが参加することができるWebに関連する概念です。Web2.0では、動的なWebページを作成することが可能になり、ユーザーがより多くの情報を収集・交換することができるようになりました。
このように、Google Mapsの登場はJavaScriptの採用率に大きな影響を与えました。当時JavaScriptはまだ成熟していない言語として扱われていましたが、Google Mapsの利用により、JavaScriptの使い方が大きく変わり、Web開発者がJavaScriptをより積極的に利用するようになりました。また、Google Mapsの登場はWeb開発全体にも影響を与え、Web2.0の時代に合わせて、動的なWebページを作成することが可能になりました。
jQueryの登場
Internet Explorerに搭載されていたJScriptは、Javascriptと非常に似た言語でありながら、JavaScriptとは異なる言語仕様を持っていました。このため、JScriptを採用したWebページは他のブラウザで正しく動作しないことがありました。このような互換性の問題は、Web開発者にとって大きな課題となりました。
このような状況下で、2006年にJohn ResigによってリリースされたjQueryが登場しました。jQueryはJavaScriptを簡単に記述することができるとともに、ブラウザの互換性を考慮することなく動作することができるというメリットがありました。
jQueryは瞬く間に人気を博し、Web開発者にとって非常に役立ったツールとなりました。IEに搭載されていたJScriptなどとは異なり、jQueryは標準仕様に準拠しており、Web開発者にとって使いやすいという特長がありました。
jQueryの登場により、Web開発者はより素早く、簡単にWebページを開発することができるようになりました。
ECMAScript 5(ES5)の登場
jQueryは非常に人気なツールでありながら、その依存性による問題も存在しました。jQueryを利用することで開発者は簡単にJavaScriptを記述することができましたが、JavaScriptそのものがjQueryに非常に依存するものとなりました。
このような状況下で、2009年にECMAScript 5(ES5)がリリースされました。ES5はJavaScriptの標準仕様となり、jQueryよりも標準的な記述方法を提供することができました。ES5の登場により、jQueryに頼らなくともWeb開発を行うことができるようになりました。
ES5の標準化により、JavaScriptはより安定し、一貫性がある記述方法を持つことになりました。また、jQueryに依存することなくJavaScriptを記述することができるようになったため、Web開発者はJavaScriptに関する知識を身に付けやすくなりました。
以上のように、jQueryの登場はWeb開発者にとって大きなプラスでありながら、依存による問題も存在しましたが、ES5の登場により、これらの問題が解消されることになりました。現在のWeb開発においては、jQueryは依然として利用されており、ES5も標準的なJavaScript記述方法として重要な役割を果たしています。
HTML5の登場
HTML5は、ウェブ技術に必要な新しい機能を追加しました。これにより、より効率的なウェブアプリケーションが作成できるようになりました。この新しいバージョンは、動画と音声を直接ウェブページに埋め込むことができるようになり、ウェブアプリケーションを作成する際にはFlashなどの外部プラグインを使用することがなくなりました。
また、WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)は、2005年に設立されました。このグループは、HTML5仕様を開発することを目的としています。WHATWGは、同様の技術をもつブラウザベンダーによって支援されています。これにより、HTML5仕様の標準化が進められ、Webの仕様が統一されました。
これらの変革により、モダンなブラウザが登場しました。これらのブラウザは、HTML5とJavaScriptをサポートするようになりました。これにより、JavaScriptは、以前よりも多くのブラウザで実行することができるようになりました。これは、JavaScriptの採用率が高まったことを意味します。
これらのWebの標準仕様に準拠していないIEの利用が避けられるようになりました。
*また、2022年6月16日をもって、Internet Explorer のサポートは終了しました。
ES2015の登場
ES2015は、ECMA International(ECMA-262)によって標準化されたJavaScriptのバージョンであり、Web開発者たちにとって有用な新しい文法とAPIを提供しました。
ES2015は、前のバージョンであるES5から大きく進化し、JavaScriptをより柔軟かつ簡潔に記述することができるようになりました。ES2015では、以下のような新しい文法やAPIが導入されました。
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letとconst: ES2015では、変数宣言にletとconstが導入されました。letは再代入可能な変数を宣言するのに使用され、constは再代入不可能な変数を宣言するのに使用されます。
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アロー関数: ES2015では、短い関数を作成するための新しいアロー関数形式が導入されました。アロー関数は、「() =>」を使用して定義されます。
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スプレッド演算子: ES2015では、配列やオブジェクトの要素を展開するための新しいスプレッド演算子が導入されました。
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テンプレートリテラル: ES2015では、文字列を結合するための新しいテンプレートリテラルが導入されました。テンプレートリテラルを使用すると、文字列内で変数を埋め込んだり、複数の行にまたがる文字列を簡単に作成できます。
これらはES2015で導入された主要な文法変更の一部であり、他にも多くのAPIや機能が導入されています。これらの機能を使用することで、JavaScriptのコードをより簡潔かつ柔軟に記述できるようになりました。
また、ES2015には、モジュールシステムやPromiseなどのAPIも導入されました。これらのAPIは、非同期処理をより簡単かつ効率的に実行することができるようになりました。
ES2015は2015年6月に標準化されましたが、その後も多くの新しいバージョンがリリースされています。
ES2015は、Web開発者にとって重要な重要な出来事であり、JavaScriptをより柔軟かつ簡潔に記述することができるようになりました。
Nodejsの登場
もうひとつ、JavascriptをWeb制作の中心的な存在に引き上げた立役者がNode.jsです。 Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドWeb開発の主要な言語に引き上げたプラットフォームです。Node.jsは、Ryan Dahlによって2009年にリリースされました。
Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドWeb開発に利用するために作られました。従来、Webサイトを開発するためには、サーバーサイドの言語(例えばPHP、Ruby、Pythonなど)とクライアントサイドの言語(JavaScript)を組み合わせて使用することが必要でした。しかし、Node.jsを使用することで、Web開発者たちはJavaScriptをサーバーサイドとクライアントサイドの両方で使用することができるようになりました。
Node.jsは、V8 JavaScriptエンジンを採用しています。V8は、Googleが開発したJavaScriptエンジンです。V8は、高速なJavaScript実行を可能にするために設計されており、Node.jsでも同様に高速なJavaScript実行を可能にしています。
V8は、2008年にGoogleがリリースしました。V8は、Google Chromeブラウザーの主要なJavaScriptエンジンとして利用されていますが、他のブラウザーやNode.jsなどでも利用されています。V8は、オープンソースプロジェクトとして開発されており、開発者たちが改善を加えることができます。
Nodejsの登場によりWebエンジニアはサーバーサイドの作成が可能になりました。
時代の中心になったJavascript
JavaScriptは、現在Web開発の分野で最も重要な役割を担っているプログラミング言語です。 近年、モダンJavaScript、モダンブラウザ、およびNode.jsなどの新しい技術の登場によって、JavaScriptの利用頻度が大幅に増加し、Web開発の中心的な役割を果たすこととなりました。
モダンJavaScriptは、高度な技術を備えた新しいJavaScriptのバージョンです。これにより、より高速で効率的なアプリケーション開発が可能になり、Web開発者たちはより高度なアプリケーションを作成することができます。
モダンブラウザは、Webアプリケーションを開発する上で非常に重要な役割を果たしています。これらのブラウザは、JavaScriptに基づいて動作するアプリケーションを高速かつ効率的に実行することができます。
Node.jsは、サーバーサイドJavaScript環境です。このような環境を利用することで、Web開発者たちはより高度なサーバーサイドアプリケーションを作成することができます。
これらの新しい技術の登場によって、JavaScriptは以前よりも高度なアプリケーションを作成することができるようになりました。そのため、Web開発者たちはJavaScriptを利用することで、より高速で効率的なアプリケーションを作成することができるようになりました。
結論として、JavaScriptはモダンJavaScript、モダンブラウザ、およびNode.jsなどの新しい技術の登場によって、Web開発の中心的な役割を果たすこととなりました。このことから、JavaScriptは将来も重要な役割を担っていくことが予想されます。
また、JavaScriptはマルチプラットフォームに対応しているため、Webアプリケーションだけでなく、モバイルアプリケーションやデスクトップアプリケーションの開発にも利用されています。このことから、JavaScriptは今後も多様な分野での利用が期待されます。
さらに、JavaScriptはオープンソースであり、多くの人々が関わっているため、常に進化し続けています。このことから、今後も多くの機能追加や改善が期待されます。
以上のように、JavaScriptはモダンJavaScript、モダンブラウザ、Node.jsなどの新しい技術の登場によって、Web開発の中心的な役割を果たすこととなりました。これは、将来もJavaScriptが重要な役割を担っていくことを示しています。